星のや富士
- ami yukimura
 - 7月25日
 - 読了時間: 3分
 
JOPT2025開幕シーズン一ヶ月前のとある週末・・
この日2025年7月5日は、隕石の衝突や大地震など、破滅的な災害が起こる──そんな不穏な予兆が日本の人々の不安を煽る。
加えて富士山の噴火も懸念される最中、今回のJOPTに向けた嫁サテは赤富士参拝。
そんな時こそ、日本の誇りを拝もうぞと。(感性のままにオールインするタイプ)
ということで従来の高級ホテル・旅館とは一線を画したサービス・施設の星のやに滞在。

当日12時ごろの急な予約にも関わらず「本日はそのような滞在利用でございましょうか」とレセプションではきめ細やかな対応でお迎えいただく。せっかくなので前日に主人がタイトルを取ったので、タイミングの良い理由付になった。

たまたま空いていたのか雑誌などで使用されているというお部屋に案内された。
確かに数あるお部屋の中でもど真ん中だった。

左右非対称かつ景観を邪魔するものは一切ない。
標高は河口湖より約10mほど高くなっていて900mに位置し、夏でも涼しく過ごせる環境。
忙しさで溢れた日常の中で、止まってしまっていた感覚が再起動する時間。
デバイスを手放し
「富士山がなぜ青く見えるか知ってる?」
「モネの世界観みたいだね」
などとひたすらに五感から入ってきた情報を言語で伝える嫁の横、主人はひたすらにデバイスを眺めて片手にシャンを持ちポーカー三昧。
ポーカー狂の不動の男。景色は都会と変わらず。
とりあえず散策しようと森へ移動。

星のや富士は、“日本初のグランピングリゾート”として知られるけれど、ただ単純に「豪華なキャンプ」を体験できる場所ではない。
この日は季節の梅・ヒバ・ヒノキの蒸留体験や、ライブラリーには水彩色鉛筆と絵葉書が置いてあったり、マシュマロを焼くことができたりと童心をくすぶるようなしつらえがあちこちに散りばめられている。
全てが用意されているが、創造は個人に委ねられていて“感性”が開いていく。
夕食はお部屋かレストランを選ぶことができるが、今回はレストランへ。
ジビエと聞くとなんとなくオシャレなイメージばかりが先行するが、市場で食用として還元されるものはまだなお二割程度に止まるそう。
ほとんどの野生鳥獣の肉はただ命を落とすだけだが、ここ星のや富士ではたゆまぬ命の連鎖を丁寧に食卓へ運んでくれる。
ジビエは噛み切るのに時間を要するが、野性の気配や命の重みが、咀嚼のたびにどこか奥行きのある味わいとして舌に残る。
同時に、「いただく」という行為が、感謝や敬意を伴う儀式のように感じられた。
食後は再びラウンジへ。
焚き火を囲みながら、クリスタルボウルの倍音が神経にずっしりと響き、自分がどこで誰と何をしているかさえも気にならなくなっていき、日常の「急かされる時間」が遠のいていくのを感じた。
意識が完全に遠のく前にキャビンへ戻ると、テラスのファイヤープレイスに火がついてあった。炎のゆらめきのままに思考も感情も載せて揺るがす時間は心地よい。
標高が高いので夏でも過ごしやすかった。

翌朝はお弁当を注文。
中には、しっかり冷えたサラダやふかふかのパン、季節のジャムに温かいスープ、惣菜豊かに収納されていた。
飲み物は耐熱水筒に。
お皿を用意するのも並べるのも、飲み物を注ぐのも宿泊者が行う。
どのようにコーディネートするのかワクワクする時間。
便利なようで、最後の手ほどきは自らに委ねる。
やっぱり最後の最後まで感性が広がる時間だった。
























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